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2021年9月20日月曜日

大規模風力発電計画で明らかになった課題は?

2021年9月定例議会で質問しました

【大江質問】 中国経済産業局の『再生可能エネルギーの固定買取り価格制度申請』の情報公開 (7月29日入手)によると、電源開発株式会社(J-power)は、今回の風力発電計画で、安芸太 田町に変電所1か所、風車を28基(計画全体は30基、吉和2基、湯来0基)建てる予定で、驚 きの数だった。

7月の町長の「風力発電計画は受入れられない」の決断で、本町の町有林において、風力 発電の風車は建つことはなくなった。当計画について、町長の判断を電源開発に伝えた以 降、事業者からの情報提供はあるか。

【町長】 7月16日付で『受入れ困難』を事業者に伝え、広島県、広島市、廿日市市、広島森林 管理所を訪問して、経緯の説明、意見交換会を行った。事業者からは、本町の意向表明以 降、特段の連絡反応はない。

【大江質問】 事業者は環境影響評価(アセスメント)調査を、まだ本町でやっているのか。この町でのアセスは中止すべきと求めるべきではないか。

【住民課長】 調査は継続して実施している。

【大江質問】 この計画を通じてどのような課題が明らかになったか。■検討に際し動植物 生態系や地質調査の学識経験者等を加えた組織も必要ではないか。■災害防止、自然保護 の観点から、町に自然保護条例の設置が必要ではないか。■環境影響評価の内容について、 土砂災害危険区域の配慮等の項目が入っていない。どう考えるか。

【町長】 ■環境影響評価法に対応できる知見を職員として保持しているのは市町村レベル ではかなり難しいのではないか。■環境影響評価も、我々が感じるものと国とでは、かな り開きがあるのかと今回気がついた。■大規模開発をある意味、町として止められるよう な条例のようなものの必要性を感じた。

【大江質問】 北広島町では、環境保全に関する条例が制定されており、基本理念、町の責務、 環境の保全に関する施策の基本方針等々詳しく載っている。本町は自然保護、あるいは環 境保全に関し、全体を網羅した条例はない。住民の命、暮らし、自然景観を守るためにも、 開発に一定の制限をかける条例が必要なのではないか。

この山を、木々を大切にしたい

【町長】 大規模開発事業について、自治体独自の規制をかける条例、こういった所は大 規模開発をやってもいいと指定するような地域もある。また、環境保護のための地域を指 定してきた事例もある。今後調査研究し、どういったものを町として用意すべきか検討し ていきたい。

自然エネルギーの地産地消を目指す考えは?

【大江質問】 この地域に存在する自然資源から得られるエネルギーは地産地消という形で利用 すべきと考える。本町に根差した自然エネルギー・再生可能エネルギーの生産発電と、電 気の供給システム、今で言う新電力についてどう考えるか。

【町長】 本町では、既に水力発電が進められている。自然環境保護、脱炭素社会に協力できる ものがあれば歓迎すべきことだ。地産地消のエネルギーや水力発電だけのエネルギーが買 えれば使いたいが、現実はそういう取組みにはなっていない。バイオマスの発電事業など も、本町で進めていただければと思っている。新電力という仕組みを使って、電気を売り たいとなれば利用できればと思う。その場合には、少し割高になるのではないか。経費を 抑える観点も考えていく必要がある。エネルギー源という意味では例えば、チップボイ ラー・ペレットストーブ・薪を使うといった方法もあり、別途進めていくべきだ。

ペレットストーブ

【大江質問】 2016年の電力自由化以降、様々な組織が電気事業に参入してきた。中には、地域 をベースにし、自治体が一部出資して設立した新電力会社もある。地域を限定して電気を 供給し、電力の買い取りも地域の発電者から買い取る、まさに電気の地産地消だ。太陽光 や水などによって得られるエネルギーや木質バイオマスエネルギー等の買い取りと、その 電気を住民に供給する新電力会社を立ち上げ、電気事業を運営することで、その利益全体 がこの地域に還元できる仕組みも考えられる。今、原発や化石燃料を使わない電気を求め る消費者は必ずいる。そういう新電力会社を考える良い機会ではないか。エネルギー問題 はこの町でも考えていくべき大きな課題だ。

屋根に設置された太陽光パネル