安芸太田町 大江厚子
私は、声明文での『10月7日、ハマスによる・・・極めて卑劣で許しがたい暴挙…』の一方的捉えと、『当事者双方に・・紛争の平和的解決に向けた行動をとるように強く求める』という文面は、連日連夜続けられているイスラエルのガザ・パレスチナへの容赦極まりない攻撃を容認することに繋がり、これに与することはできません。以下は私のイスラエルによるパレスチナ占領、攻撃に対する考えです。
イスラエル軍の占領下にあるガザ、種子島ほど面積に住む230万人もの人々は、周囲を包囲され、天井こそないですが文字通り『監獄』に閉じ込められています。燃料や食料、日用品、医療品などが欠乏し、人々は国連や支援団体からの援助物資で何とか命をつないでいる状況です。水、電気の供給をはじめとするインフラも劣悪です。多くの若者に仕事はなく、経済的に自立できません。 イスラエル軍の支配下に置かれているヨルダン川西岸、巨大な隔離壁の建設、イスラエル人の入植による農地の破壊や土地の没収、地域の分断、夜間外出禁止令、またイスラエル軍への若者による投石に対しては、実弾の発砲や逮捕など、日常的に暴力的支配が行われています。
そして、数年ごとにイスラエル軍はパレスチナを攻撃しています。2008年以降のパレスチナ・イスラエルの衝突による死傷者の数は、圧倒的にパレスチナが多いのです。(例えば2008年から2023年9月までの総死者数、パレスチナ6407、イスラエル314)。 この様に75年もの長きにわたって、パレスチナの民は土地を奪われ、命を奪われ、自由を奪われ、人間としての尊厳を奪われ、若者の未来を奪い続けています。パレスチナの人々には、かつて肥沃な土地にオリーブを植え、平和に豊かに暮らしてきた日々を取り戻す権利はないのか、若者は自由に世界に飛び立つことも許されないのか、人道的支援で暮らすしかないのか。 この様な状況下、パレスチナ人民はその時々でインティファーダ(民衆蜂起・抵抗運動)を行ってきました。そして、パレスチナの若者が、やむにやまれぬ気持で殺されるのを覚悟して行ったのが、10月7日の蜂起です。この状況に対し責任を問われるべきはイスラエルであり、莫大な軍事支援や財政支援を行っているアメリカです。
10月27日国連総会の緊急特別会合で、人道目的での休戦などを求める決議が121か国の圧倒的賛成で採択されました。しかし、日本政府は事もあろうに棄権に回りました。この事こそ非難すべきです。 今、パレスチナ人を根絶やしにするのかと思わせるほどエスカレートしているイスラエル軍のパレスチナ攻撃を一刻も早く止めさせるためには、私たちは世界中で起こっている、侵攻・虐殺反対の大デモを、この国でも起こすこと、そしてイスラエル軍の占領地からの完全撤退、自由、独立を求めるパレスチナの人々と深く連帯する事こそが必要です。
以上の理由からこの度の緊急声明には、賛同できません。
なお、岸田政権に対しては、私の考えの抗議文を提出します。