安芸太田の有志で安芸太田保養支援グループを立ち上げ、『福島原発事故の被ばくから遠ざかる“親子で保養”』を始めたのは2013年です。この年希望者はありませんでしたが、次の年は7家族、そして多い年は12家族に保養をしていただきました。途中コロナ感染症を心配して2回休みましたが、9回の実施で述べ70家族(大人78人子ども118人)を受け入れました。
安芸太田での保養は、7月下旬から8月中旬の間、それぞれ都合の良い期間に来てもらい、こちらで用意した空き家で地元の野菜やお米で自炊しながらのびのびリラックスした生活を送って貰うものです。支援の内容は、安芸太田までの交通費・宿泊・移動用車の貸し出しなどです。コロナまでは、みんなで楽しむバーベキューや海水浴も計画しました。何年も続けて参加する家族が多く、子ども達の成長を互いに喜ぶ事が出来るのも嬉しいことです。
当初は「食べ物を気にせずに何でも食べる事が出来る。」「子どもに泥んこ遊びをさせられる。」「落ち葉も平気で触らせられる。」「プールで泳げる。川遊びや海水浴も楽しめる。」など、本来当たり前にできていた事を子どもに制限させている辛さとここに来ての開放感を話されていました。最近は改めて、東日本大震災と原発事故発生の際現地はどうだったか、自分たちはどう避難したについて話をしてもらったり、また成長した子ども達と原発や戦争、原爆の事を話す事もあります。
来し方を思い、行く先を考えるとき、原発はあってはならないと心底思います。また、放射線による健康被害はこれからもどのように発症してくるか分かりません。国・東電は原発事故の謝罪と、放射性物質に起因する病気を認め、今後健診と病気になった時の十分な治療を制度的に保障すべきです。
さて、当保養は支援メンバーの高齢化やスッタフの人数減少等により、年々実施していくのが難しくなってきており、今年で安芸太田での保養は最後としました。運営の全てを全国の支援カンパで賄う事が出来ました。今年振込用紙にはほとんどの方が、「長い間の保養支援、お疲れ様でした。」「福島の人のためにありがとうございました。」「顔を知らなくても仲間だと思っています。」「保養支援は最後と知り、心が痛みますが、核と戦争のない社会をつくるため私も頑張ります。」などのメッセージを書いてくださっています。この様に私たちの保養を心から応援してくださる多くの方のお陰で、保養を続ける事が出来ました。感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも原発新設、再稼働、そして全ての関連施設に反対していきます。福島原発事故により発生している汚染水放出も許せません。核兵器使用を正当化するような言動がみられますが、絶対に反対です。福島の皆さん、全国の皆さんと共に頑張ります。